Dream Japan

Vol.27:
"Queen of Pop"

"Popの女王 "


-"Who's Queen of Pop?"

(2021/07/07)

"King of Pop"、マイケル・ジャクソンの逝去(2009年6月25日)から早くも12年が経過した。彼がソロ・シンガー&パフォーマーとして唯一無二の存在になる前に”ジャクソン5”としてモータウン・サウンドの中央でスポットライトを浴びるための偉大なる支援者であり、先人である、ダイアナ・ロスが15年ぶりにシングル『Thank you』を6月17日にリリースし、同名のアルバムも何と、22年ぶりに9月10日にリリースする!全米の歌姫は、まだまだ健在だ!一方、英国、ロンドンでは、またもの凄い才能が現れた。"Dua Lipa"(デュア・リパ)の存在である!


Dua Lipaは1995年8月25日生まれ、ギリシャの北、バルカン半島の小さなコソボ共和国出身、アルバニア人のルーツを持ちロック・ミュージシャンの父の影響を受けて、 歌に取り組み、英国で育ったが、両親がコソボに帰り、デュアだけ単身でロンドンで音楽に携わる夢を追ってバイトをしながら活動し、ようやくデビューしたが、「私の音楽を誰も望んでいないのでは」と思ったほど失望の日々が続いたが、何とかチャンスを掴み、2015年にワーナーと契約しデビュー。

そして、2018年にグラミー賞の最優秀新人賞、ベスト・ダンス・レコーディング賞、2021年にはグラミー賞最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞とブリット・アワード最優秀ブリティッシュ・アルバム賞をダブルで受賞し、現在、高い評価を得ている。

デュア・リパはまさに英国を代表するアイコン、"Queen of Pop"的な存在になりつつある!

今後、"007"的な、スパイ・スリラー映画『Argylle(原題)アーガイル』で、俳優デビューも決まっており、注目の存在だ!


デュアの魅力は、何といっても、存在感あるヴィジュアル、ハスキーで、ややロー・トーンの声、力強い眼に、セクシーな唇、長い手足に、ダンス、演技までこなす、スラングを交えた現代を生きる見事な作詞能力とワードセンス、凛とした姿勢、明るいキャラクター等だ!

(日本のアニメ、ジブリの"ポニョ"のファンだという可愛い面も有している。)

20歳で"New love"でデビューしチャンスを掴み、セカンド・シングル、"be the one"でまたたくまにヨーロッパを席巻し、ベルギー、ポーランド、スロバキアでNo.1に。

"blow your mind"では、初の米国進出を果たし、ファンたちの心を吹き飛ばした! 初アルバム"Dua Lipa"にはそれらの曲を含み、一曲目の”Genesis”では、恋愛とキリスト教の”起源”のメタファーをうまく表現し、"New Rules"は英米でもトップ10入りし、新しいルールを作り、元彼ともう会わないことにするというものだが、女子たちの共感を得そうなルールをテーマにし、Youtube再生回数は何と、24億回だ!

アルバムの最後のPianoバラード、"Homesick"ではコソボから単身で、ロンドン生活をおくった彼女の寂しい心境が伺え、何と、Cold PlayのChris Martinをコーラスに、締め括る。

さらに英スコットランドの有名DJでテイラー・スイフトの元カレとしても知られる、カルヴィン・ハリスの"One Kiss"でfeaturingされた事で、グラミーのベスト・ダンス・レコーディング賞を受賞した!そして、アルバムの評価とこの曲のヒットで、グラミー賞、最優秀新人賞まで、受賞した!


"Blow your mind (Mwah)"

初の米国進出を果たした"blow your mind"では、「あなたの心を吹き飛ばすほど、魅了するわよ!」と歌っている。


"Genesis" album version


"Be the one"


"Electricity" Silk City, Dua Lipa ft. Diplo, Mark Ronson


"Genesis" piano version


"New rules"

Youtube再生回数、24億回!


"One Kiss" ft.Calvin Harris


"Scared To Be Lonely " ft.Martin Garrix


"Hotter than Hell"


"New love"


"Homesick" ft.C.Martin(ColdPlay)



そして、2020年発売の2ndアルバム、”Future Nostalgia”では、アルバムを代表する同名曲で快進撃を再び開始し、"Don't Start Now"ではエレクトロ・ベースでノリノリにさせ、”Levitating”(レヴィテイティング=空中浮遊)では遂には、空にも飛んだ!


"Future Nostalgia"


"Levitating" ft DaBaby


‘Levitating’ on SNL


"Don't start now"を8歳の少年が聴くと?・・・


"Don't start now"


"Break my heart" sampling by "need you tonight" INXS


"need you tonight" INXS


そして、”Break my heart”では、80年代後半のオーストラリアのスターバンド、INXSのビルボードNo.1ヒット、”Need you tonight”のリズムを巧みにサンプリングし、またINXSとは異なる、独自の恋愛観の世界を生み出している!その他にもオリビア・ニュートン・ジョンの"Physical"をモチーフにした同名曲、そして、"Hallucinate"はアニメーションをMVで使っているが、マドンナの曲と言われても違和感はない。最後はQueenの"Friends will be friends"から来たような"Boys will be boys"だが、"but girls will be women"として、男子は男の子のままだが、女子は女性になる、と女性の成長を歌っている。

このアルバムで、2021年にグラミー賞最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞とブリット・アワード最優秀ブリティッシュ・アルバム賞をダブルで受賞した!


"グラミー賞最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞受賞!"

ジャスティン・ビーバー、レディ・ガガ、テイラー・スイフトら世界的著名アーティストを抑えての受賞!


"Hallucinate"


"Physical"



"Boys will be boys"


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一方、ダイアナ・ロスは、全米で最も成功した黒人女性アーティスト、と言われ、マイケル・ジャクソンの姉的な存在で、実にヒット曲は、ザ・スプリームス時代でNo.1が12曲、ソロで6曲、その他ヒットは数えきれない。2021年の東京五輪2020は77歳で迎える。

マホガニーのテーマ、"Do You Know Where You're Going To"や、"If we hold on together"らのヒットが有名だが、シュプリームスから、ソロになったキャリア中盤の1980年に放った全米NO.1ヒット、Upside downでは、数々のレジェンド・ミュージシャンと共演している!


Diana Ross With Jamiroquai - Upside Down 1997 Brit Awards live


with Boy George Upside Down live


with Michael Jackson Upside Down Live in Los Angeles 1981


"Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)"

ネスカフェのテーマとして日本では有名


"If We Hold On Together"(From "The Land Before Time" Soundtrack)


"I'M COMING OUT"

このイントロのトニーのドラムソロも秀逸だ!

ビヨンセ主演の"Dream Girls"のモチーフとしても有名なザ・スプリームスとして一世を風靡した後、ソロでのキャリアも成功させ、ヒット曲を連発。大成はしていたが、キャリア中盤に差し掛かり、新しい多様性、拡がりも模索していた。


そして、プロデュースを依頼したのが、CHIC(シーク、日本ではシック)だ! シックは、"Le Freak","Good times"らの大ヒットを飛ばしていた、元ビッグ・アップル・バンドのギター、アポロ・シアターの音楽ディレクターも務めたナイル・ロジャースと、インパクトの強いベースラインを演奏する、バーナード・エドワーズと、パワフルなドラムス、トニー・トンプソンをコアにしたファンク、ディスコ・チューンを得意とするバンドだが、後にとてつもない事をやってのけ、次々とプロデュースしたアーティストをNo.1に導いた!


CHIC - "Le Freak "-Freak Out!


"Good Times"


"Get Lucky"-Daft Punk,Pharrell Williams, Nile Rodgers ft Stevie Wonder The Grammys 2014 live



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Madonna "Like A Virgin"


David Bowie "Let's Dance"


Duran Duran "The Reflex"

Nile Rodgers remix single version


"The Reflex "original version


これらのNO.1ヒットに貢献し、ナイル・ロジャースは、名プロデューサーとして、八面六臂の活躍をみせた!

力強く印象的で、空間を巧く使う、ベースのバーナード・エドワーズ、また、ダイアナ・ロスのカミングアウトのイントロや、The Power Stationのイントロでも強烈なインパクトを与えたトニー・トンプソンの見事なパワー・ドラミングは、秀逸だ!

そんな最高のバンドとのコラボレーションを望んだダイアナ・ロスは先見の明があり、先端の曲作りに成功し、その後もクインシーとマイケル主導の”We are the World”、USA for Africaでは、見事にファースト・コーラスのサビ部分をマイケルと共に共演している。


"We are the World"



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◆"State-of-the-Art Point":

- "Who's Queen of Pop?..."


NY、ビッグ・アップル・バンドから、女性コーラスやボーカルを加えたスタイルを取り入れたシック(シーク)は、ダイアナ・ロスのソロのキャリアの転換期で、”Upside Down”、”Coming Out”らのNo.1曲のプロデュースで大貢献をした!

そしてシックは、ラッパーたちにとっても、大きな存在である!

"Good Times"を元に、シュガーヒル・ギャングがリズム&メロディー・トラックをそっくり使い、そこに独自のラップを加えた事で完成した"Rappers' Delight"は大ヒットし、まさにシックのリズムによって、ラップの夜明けが告げられたのだ!


The Sugarhill Gang - "Rapper's Delight"

後に、RapとHard Rockの融合曲も生まれた!


RUN DMC ft Aerosmith - "Walk This Way"


Anthrax & Public Enemy - "Bring The Noise "


今でそこ、"サンプリング"だが、当時はクレジットも許可もなく使った事で、シックと訴訟になったが後に和解し、シックのメンバーもこの曲にクレジットされる事となった。

そういった優れたリズム隊とナイルのカッティング・ギターが組合わさる事で、ファンク、ダンス、ポップス、そしてロックにまでシックは影響を与えた!


QueenのNo.1ヒット、Another on bites the dustも、前述の"Good Times"のリズムとほぼ近く、Duran Duranのプロジェクト・グループ、The Power Stationも、 ”Some like it hot”は、シックのベース、バーナードと、力強いドラムスのトニー・トンプソンのリズム隊のプロデュース面での貢献が大きく、ジョン、アンディのヒットを生み出すロック・センスをそこに取り入れ、ファンク、フュージョン、ロックの要素があり、かつ、アンディやトニーが大のハードロック好きである事から、ハードロックとしてのベースもある。


Queen - "Another on bites the dust"


"Another one..."のリズムは、前述の"Good Times"のリズムとほぼ近い!


The Power Station - ”Some like it hot”

この"Some like it ..."のドラムは"Coming out"からinspireされた、トニーの素晴らしいドラムスで、アンディーの間奏のギターソロも見事だ!


"Get it on"

T.Rexの”Get it on”のカバーは、どのバンドよりも力強い!

それも、アンディと、レッド・ツェッペリンのドラムス、ジョン・ボーナム好きのトニーの影響が大きい。


また、バーナードは、Duran Duranの”Wild Boys”、”A View to A Kill”という大ヒットに貢献しているが、ロック色が強いアンディの脱退で、その後はDuranに呼ばれなくなったが、ナイルもさる事ながら、全盛期のDuranは、英国、ザ・ビートルズ以来の”ファブ5”(脅威の5人)、とも呼ばれていただけに、その後の浮き沈みを考えると、アンディ、バーナードの存在はそのままバンド内に欲しかったところだ!


Duran Duran -" A View To A Kill "(BBC - Live Aid 7/13/1985)


”A View to A Kill”


"Wild Boys”


"Addicted to Love" Robert Palmer ft.Andy,Bernard,Tony


"Fantasy" George Michael ft. Nile Rodgers


バーナード、トニー、アンディは、The Power Stationでボーカルをつとめたロバート・パーマーのNo.1ヒット、”Addicted to Love”にも貢献している。ナイルも故ジョージマイケルの未リリース曲、”Fantasy”を見事に仕上げた。

ナイル・ロジャース、バーナード・エドワーズ、トニー・トンプソンらの凄さは、以下、Duran DuranのJohn Taylorの”stone love bass odyssey”で語られている。


"Some like it hot" Bass Tutorial with John Taylor


"The Reflex" Bass Tutorial with John Taylor


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そして、デュア・リパは、D.Bowieや、Duranらが全米や全世界に進出したように、英国育ちを代表する世界的なミュージシャンとしての階段を着実に上がっている!

また、世界的な女性シンガーの代表格と言えば、米国勢が圧倒的で、レディ・ガガ、テイラー・スイフト、アリアナ・グランデ、ケイティ・ペリー、ビリー・アイリッシュ、ビヨンセ、リアーナ、ケシャ、ニッキー・ミナージュ、セレーナ・ゴメス、メーガン・トレイナー、アリシア・キーズ、ファギー、ピンク、B Bレクサ・・・らと、非常に多彩だ!


マドンナ、シンディ・ローパー、マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン、ホイトニー・ヒューストン、ブリトニー・スピアーズ、ポーラ・アブドゥル、ハート、ベリンダ・カーライル、ジェニファー・ロペス、シェリル・クロウ、クリスティーナ・アギレラ・・・らもヒット曲を連発し、一時代を築いた!


もっと大御所では、ダイアナ・ロスをはじめ、アレサ・フランクリン、ティナー・ターナー、ドナ・サマー、ディオンヌ・ワーウィック、スティヴィー・ニックス、カーペンダーズ、ジャニス・ジョップリン、キャロル・キングそして、カナダのジョニー・ミッチェル、スウェーデンのアバらの活躍もあった。


米国勢が圧倒する中で、カナダから、セリーヌ・ディオン、アヴリル・ラヴィーン、カーリー・レイ・ジャプセン、キューバ&フロリダから、カミラ・カベロ、ドイツのネーナ、スウェーデンのエース・オブ・ベース、コロンビアのシャキーラ、オーストラリアのカイリ・ミノーグ、シーアらも活躍した。


英国勢では、アメリカ勢ほどではないが、サラ・ブライトマン、アデル、アニー・レノックス、アン・マリー、リタ・オラ、エリー・ゴールディングらが先人だったが、デュア・リパは現代的、エレクトロ・ダンス・ポップ界では、トップランクに位置し、米国のビリー・アイリッシュ、レディ・ガガらと徐々に肩を並べる存在になりつつある!


一方のダイアナ・ロスは、多数のヒット曲以外に、映画でも活躍し、ドロシー役で、マイケルと共演した「The Wiz(オズの魔法使い)」や、ビヨンセがザ・スプリームスをモチーフにした"DreamGirls"、さらには2020年には娘トレイシー・エリス・ロスが『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』で、ダイアナ役で圧巻の歌声を響かせた。

マホガニーのテーマも長らく、ネスカフェのテーマとして定着していた。



映画『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』

ダイアナ・ロスの娘が圧巻の歌声披露!


"Dream Girls" - "One night only"

ダイアナ・ロスのザ・スプリームスをモチーフに、ビヨンセらが熱演!



"Upside Down" Original CHIC mix


"Upside Down" (PER-NAU Funk-It-Up Remix)


"Queen of Pop "は誰か? ー  ある人にとっては、マドンナであり、レディ・ガガであり、マライアであり、ブリちゃんであり、シンディ、ジャネット、ビヨンセ、セリーヌ、サラ・ブライトマン、アデル・・・等かも知れない。

しかし、77歳でも歌こそが人生、歌うことがやめられない、として今なお、現役のダイアナ・ロスは素晴らしいし、新鋭デュアリパの様に、シンガー、パフォーマーになる事を信じて、両親と離れてコソボからロンドン、そして今、世界を席巻しようとしている存在も、興味深い!

タイミング、ヒット曲、運、周りの環境などに寄るところも大きいが、そのチャンスを掴むまでの”努力”が、あってこそ、という事も、忘れてはならない。

TwiceやBlack Pink、日韓合同プロジェクトのNizuUなどのKPOPや、日本の宇多田ヒカル、松田聖子、ユーミン、浜崎あゆみ、安室奈美恵らJPOPも素晴らしいが、今回フィーチャーした世界のマーケットでも凄い潮流が起きている!

"Queen of Pop "の曲を聴き、応援したい人も、"Queen of Pop "になりたい人も、才能だけではない”何か”を、掴んで”音楽”を”楽”しんでもらいたいものだ!


Dua Lipa - "Levitating" ft. DaBaby / Don't Start Now (Live at the GRAMMYs 2021)


Diana Ross - American Music Awards 2017


The Wiz "Ease On Down the Road" Performed by Diana Ross and Michael Jackson


Diana Ross - "The Best Years of My Life"


Diana Ross - "Thank You"